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新卒一括採用はなくなるか?

結論を言えばすでになくなっている。先日もEMBAの学生達(40代前後の現役バリバリ世代)と話したが、キャリア採用に本格的にシフトしていくという上場企業もある。10年以上前に前職の先輩石井さんと話したときに「新卒を教育していくコストを甘受する企業はいずれなくなる」という問題提起をされていたが、その通りになってきた。ふと気づくと、転職エージェントの広告が山のようにある。

新卒採用のいいところは会社に対するロイヤリティをじっくり植え付けることができると(日本企業の海外支社でも)よく聞く。しかし「○○らしさ」に経営が死に物狂いで取り組んでなければ、社員に見透かされる。「この会社好きなんですけど」と言いながら転職した優秀な若手を何人も見てきた。一方、スターアナリストが移籍するとパフォーマンスが落ちるという研究があるように、その人の「パフォーマンス」が何に支えられているかを知り、選択眼を磨くことは簡単ではない(プロ野球のFAを考えればわかりやすい)。

学生サイドはどうしたらいいんだろう。ますます早い時期から動いて、インターンとかし沢山して、経験を積む、即戦力化しないといけないのでは、と思う人も増えていくに違いない。学校なんて行っている時間はない、と。

(イチゴ白書ではないが)これまでの時代は「学生」と「社会人」の間に大きなギャップがあった。学生時代は好きなことをやって、社会に出たら心を入れ替えて稼ぐ、みたいな話である。だからガクチカなんて言われる。しかし、考えてみたら人生にギャップがある必要はない

やりがいや成長を仕事に求めるのであれば、就活期になって自分探しをするのは遅すぎないか?何が好きか、何をしている時に満たされるか、何は我慢できないか…リクルートで有名になった「Will, Can, Must」とは、生きるということではないかと思う。

そして、やりがい、挑戦、失敗は常にセットであることを忘れてはいけないのは、企業も学生も同じである。