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「成長」を求める前に考えたいこと:If you “really” want to grow,

最近よく聞く言葉の1つに「成長実感」がある。もっと流行った言葉に「ブラック」というのがあるが、いまや「ホワイト企業だと成長実感がない」「成長実感を求めて転職する」などと使われている。

そもそも「成長」とは何だろう?端的に言えば、できなかったことができるようになること。スポーツでいえばわかりやすい。タイムが上がったり、打率が上がったり、レギュラーになれたり、ということだ。「お蝶夫人に勝った岡ひろみ」って、わかる人いるかな?

ただ社会人の「成長」を考えるときに、忘れられている前提があるのではと思う。それは「成長するためには、できないことを認めること」そしてそれは辛いという、あたりまえのことである。そして、スポーツと違って多くの場合自分ではわからない。「なぜ自分の能力を正当に評価してくれないんだ」「この会社(あるいは上司)はおかしい」と思っていないだろうか?

さらにその奥にあるのは「ほめて育てる」ばやりとハラスメント問題で委縮した上司たちと思われる。いつの間にか「成長」と「ほめられる」ことを混同する社員が量産されていないだろうか。そしてほめ殺しにあったり、独りよがりの不公平感に悩まされて「ぼんやりした成長実感」を求めて退職ということが起こる。自己評価にわざわざ「自己」とつくのは、評価は他人によってこそされるのが原則だからである。どんなに素晴らしい能力を持っていても、成果を上げなければ評価されない(「株価が低迷するのを「市場が正当に評価していない」と勘違いするのも同じ)。

「初心忘るべからず」とは自分の未熟さを自覚することである。そして、できないことができるようになるには、挑戦して一敗地に塗れる経験があってこそ。だからこそ、成長を実感できた時の喜びは何事にも代えがたい。