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給料と自己肯定感 (前):The tricky relationship between salary and self-esteem

日本の労働者の給料が低いということが騒がれている。にわかには信じがたいが、2021年のデータではドルベースでアメリカ平均の約半分、2000年からの賃金上昇率を比べると韓国が約1.5倍になっているのに日本は横ばいであるという報道もあった。

世の中的には生産性(定義はいろいろある)の問題になっている。生産性が上がらないから賃金も上がらないというのである。

暴論を承知で言うと、この因果関係は逆ではないのだろうか?賃金(人件費)が上がらないから、生産性をあげないといけないという危機感を経営が持てないのだと思う。

人材獲得競争(『War for talent』という本もあった)が日本で盛り上がらない。世の中のことをよく知らない若者に同じような給料で口説く新卒の採用は、競争というよりは儀式に見える。そうしたベースにあるのは、多くの(若い)社員の自己肯定感の低さ、つまりもやもやしていても自信がないから転職に踏み切れないことがあるのではないだろうか?「家族主義」も「副業」も、その辺りのお茶を濁すにはとっても便利なコンセプトだ。企業側にとっても社員側にとっても。