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2023年4月:新学期の始まりとスキーシーズンの終わり(前)

いよいよ新学期。毎年のことではあるが、コロナ明けということもあってかことさら新しい気がする。今年はこんな新しいことをやってみようと希望に燃える。対面で行われた入社式にも「好奇心」とか「チャレンジ」といった言葉が飛び交っている。

最新のはやりものをいろいろ試すと自慢もできるし仕事をした気になる。ただ、多くの日本企業はそうしたことを何年も繰り返して業績を落とし続けてきた。逆に、例えばコロナで出社をやめざるを得なかったことで悪いことだけでなく良いこと、新しい発見もあった。

新年度は「これをやめる」から始めることを薦めたい。新しいことにトライする時間も資源も何かをやめなくては生まれない。星野リゾートの星野代表が(マイケル・ポーター教授を引き合いに出して)繰り返すトレードオフである。

例えば「今年はDXという言葉を使わない」というのはどうだろう?曖昧で手段でしかないDXという言葉で右往左往するのではなく、本当の目的を考える。「流行り言葉を使うと考えなくて済む」とは故ドラッカー博士の指摘である。

ちなみに「何をやめますか?」と言うと、「無駄な会議をやめよう」と言い出す人がいる。それは最初からやってはいけないので、やめるにはいらない。トレードオフのない「異次元のバラマキ」が戦略でないのと同じ。