新学期の始まりはスキーシーズンの終わりでもある。暖かくなりそうな日に恐縮だが最後に1つだけ。
スキーはスピードを楽しむスポーツである。そしてスピードが出せるのはコントロールできるから(いいスポーツカーはブレーキもよく効くのと同じ)。じゃあ、コントロールで何が大事かといえば、技術と同じかそれ以上に「自信」ではないかと思う。
確かに過信は危険だし失敗もする。一方、自信がないと怖いので、大体はへっぴり腰になり、体が遅れて転ぶ。ますます自信を失うという悪循環に突入する。
しかし自信をつけるには失敗を重ねるしかない。失敗にめげずに前向きになれるのは、性格もあるだろうが、2つの要素が必要と思う。(1)「上手くなりたい」という強い願望。(2)「少し前に進んだ」という実感。実はスキーはスピードだけでなく上達を楽しんでいる。これは仕事でもそうで(1)の「強い思い」(あるいはパーパス)の重要性はいろいろなところで説かれるが、これは必要条件に過ぎず、それだけではなかなか続かない。「成長感」こそが次につながる。
できる人ができても成長もないし、面白くもない。なのにそういう仕事しか任せない、口では挑戦と言いながら何度もチェックをしないと気が済まない上司が、自信を持った部下を育てられるわけがない。幹部研修をすると必ず出てくる「権限移譲」、つまり「本気で」今までやってきた仕事をやめることもDXをやめる次に新年度に考えたらどうでしょう?