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権限委譲と丸投げの違い:What is the essence of delegation?

DXもESG今やバズワードである。一方で、「トップから何しろやれ」と言われて何をどうしたらいいかわからないという中間管理職の困惑も聞く。権限委譲と言えば聞こえはいいが実態は丸投げでしかないとすれば、トップの価値はどこにある?

「いやいや、トップは多くの案件があって1つ1つを細かく見ている時間がない」という声もあるだろう。しかし良い経営者は意外に細かい。現場を誰よりも知っている、数字がすべて頭に入っている、世の中の流れにとても敏感である 等々。

思うに「わからないからする」のではなく「(ある程度)わかっているけれどする」のが権限移譲ではないか。自分で仮説があるものの、現場社員の方がもっといい意見があるかもしれない、あるいは成長して欲しいから「あえて」任せるのである。

その意味で上の人ほど勉強しないといけない。限られた時間で当然勉強方法も工夫しなくてはいけない。「忙しい」「時間がない」と学生と同じ言い訳をして会社が良くなるのなら苦労しない。

Economist誌は昨年6月にESGを「Three letters that won’t save the planet」と呼び、9月に「ESG投資というコンセプトを見直すべきだ」という特集を組んでいる。最近ではブラックロックなど大手投資会社も動き始めている。勉強とは多様な見方を学び、自分の意見を持ち、進化させ続けること。言われたからする勉強も、言われたことを鵜呑みにする勉強も、実は「丸投げ]とそんなに変わらない。