BLOG

ダイバーシティを見直せ!

「世の中にあふれているダイバーシティの考えは間違っている」という、なんとなくわかっていたけれど誰もちゃんとしなかったの指摘を先日のWSJに(2025/11/26)にロンドンビジネススクールのエドマンス教授が寄稿していた。記事の始まりは以下の通り。

For decades, the corporate world has run with a simple story: Diversity drives performance. Lately, though, the conventional wisdom has been challenged, and for good reason: Independent, peer-reviewed research has found no correlation—let alone causation—between diversity and performance.

実際、日本の報道でもダイバーシティ、多様化という言葉は、いろいろなところで、「ふんわりポジティブ」な意味で使われ続けている。結果として何か変わっただろうか?

本来のダイバーシティは「見方・考え方のダイバーシティ(cognitive diversity」だとした上でエドマンス教授はいくつかの提案をしているが、特に面白いのが「All ideas aren’t equal」というポイントである。「すべての意見を尊重しなければ」というあまり、しょうもないアイデア一杯の中で最大公約数を見つけようとする―その結果がどうなるかは明らかだろう。

ハーバードのエドモンドソン教授の「心理的安全性」も全く同じである。高い目標を共有し、その達成のために何を言ってもいいのが「心理的安全性」であって、目標もないのにただ好き勝手なことを言うのは「社員にやさしい会社」ではなく「単にゆるい会社」にすぎない。

意見が取り上げられられなかった社員はモチベーションが下がるかもしれない。「何を言ってもいいんじゃなかったの」と思うかもしれない。が、そうした意識の低い社員に自分の立ち位置を気づかせることこそ上司の役割ではないのだろうか?面倒くさい。その通りである。だから差がつく。

若い奴らはわけわかんない、面倒なことはしたくないというのは、つまり自分が楽をしたいということだろう。ゆるい社員を過保護して、業績が上がることがないのは当然である。