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多様性という幻想?: What do you mean by diversity?

幻想シリーズ(?)の終わりとして、多様性を取り上げる。2月3日の日経夕刊の桜木紫乃氏のコラムに、「多様性という言葉に戸惑った。聞けば聞くほど『個性』でいいのでは」というつぶやきがあったからだ。彼女はこう続ける。

ひとつに束ねられるとき、括られそうになるとき、昭和半ば生まれの人間はとにかく「個性」という言葉を杖にして踏みとどまったものだ。

取締役会のダイバーシティは(全ての種を1組ずつ乗せた)ノアの方舟ではない、と喝破したのは今年92歳になるウォーレン・バフェット(相棒のマンガーは98歳!)。老害と言う言葉も、一面真理をついているが単なるステレオタイプかもしれないのは、彼らだけでなく、例えば躍進を続けるダイキンの経営陣を見てもわかる。

河合隼雄氏はその著作で「おとなはいつもおなじことをいう」という子供の詩に触れ「この私が、このあなたにしか言えない言葉、そんなのをひとつでも探し出して、語りかける努力をしたいものである」と結ばれている。

日本という一括りで盛り上がったオリンピックが終わった。多様性という言葉もどこかで一度区切りをつけ、性別や年齢の違いという便利な一括りから、個性に戻る必要があるのでは。1週間後に始まるパラリンピックでは、1人1人の違いをじっくりと見てみませんか?