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「転ばぬ先の杖」問題(1): When proactive does not work

プロアクティブ、つまり先手を取ることはリアクティブ、何かが起こってから反応するよりもいいとされている。Control your destinyも同じ。リスクはあるが、例えばNetflixがDVDがあるうちにオンラインに軸足を移すことで主導権を握ることができた。

ただ、プロアクティブはいいことばかりでない。起こりうるさまざまなリスクを勘案して手を打とうとすることで、逆に振り回されたり、限られた資源の浪費につながることも少なくない。

それが端的に現れるのが「もしこんなことあったらどうする?」的発想だろう。その結果どうでもいい多くの変数を方程式に組みこみ、人も組織も複雑になるばかりか、本当に何が欲しいかを忘れてしまうことは少なくない。「危ないからしてはダメ」ばかりの公園は何のためにあるのだろう?生きるとはリスクを回避することではないはずだ。

signalとnoiseを区別することは難しい。必要なのは判断基準、つまり自分の北極星を明確にして、noiseをできるだけ排除することだろう。もちろん、文句を言われたり、失敗をすることもあるかもしれない。それは基準をより研ぎ澄ますことにつながる。万が一のために保険ばかりをかけていたら、自分の基準は決して進化しない。

「もしも」対応が凄すぎて、顧客を遠ざけてないか?それが本当に「パーパス」なのか?温泉の後にフルーツ牛乳を飲みながら考えたのでした。