東京オリンピック開催をどうするか、ますますややこしくなっている。

その理由はいろいろあるが、１つはやるかやらないかの「基準」を誰も明確に語っていないことだと思う。いったいどのような状況になったら安全なのかもわからないし、損失といっても、いったいいくらで、いくらまでなら許容範囲なのかもわからない。

これは東京オリンピックに限らない。企業の意思決定でも結果が良い、悪いという話はよくあるが、定量化できない戦略的な判断の「基準」が明確に共有されることは少なく、まずい意思決定をしても「基準」が見直されないからまた同じようなことが起きる。これは、想定外という言い訳も同じ。想定そのものが間違っていたのではないか？

テレビで政治家は「不要不急」の外出はやめてほしいと叫ぶ。私の解釈は「迷ったら、不要不急」ということだから、もしこの「基準」を東京オリンピックにあてはめれば答えはすぐに出る。「基準」が間違っていれば別だけど。

それにしても、「IOCに訴えられる」とか騒いでいる人は何とかして欲しい。仮に訴えられたら、勝てばいいだけの話。勝ち負けの基準もわからず弱気になるのは意志のないことの表れ。そんなことはジャック・ウェルチの母に言われなくてもわかる、と思っていたんだけど。