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「選択と集中」から多様性の時代へ?Winner takes all?

前々回「選択と集中」という言葉だけが独り歩きしていると言ったが、実は集中らしきことは確かに起こっている。平成の初頭まで13あった都銀は3メガに集約され、巨人がFAでスターをかき集め、みんなユニクロを着て、外食や居酒屋はやたらチェーン店が目立つ。

Winner takes all=勝者の総どりが言われるのは、規模の効果、ネットワーク効果だけでなく、Good cycleが起きることが大きい。高校野球なんかもそうで、強いから人気が出て有力選手が集まる、ますます強くなるという構図である。

ただ、一部の業界、例えばクレジットカード(VisaとMaster)、SNS、リモート会議ソフトなどを除いて、寡占といわれるほどWinnerが大きなシェアを持つ業界はそれほど多くない。メガは3行だけれど地銀、信金信組は山のようにあるし(これはアメリカでも同じ)、中小のスーパーも頑張っているし、最近は(一時的かもしれないが)阪神だって強い。コロナ禍でAmazonが拡大を続ける一方、ShopifyやBASEが急成長している。

結局何が言いたいかといえば、「ちゃんと考えよう」に尽きる。「Thinking is very hard work. And the management fashions are a wonderful substitute for thinking」とドラッカーが言うように流行のコンセプトを使うことは楽でかっこいいが、思考停止と裏腹だ。そもそも営利企業にとってなんで多様性が大事なんですかって、自分の言葉で話せます?そんなにいいことならなぜこれまでやってこなかったの?とか。