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想定外に備える?(3):ルールをなくす

明確なルールがあったほうが意思決定が迅速にできるか?

答えは、YesでありNo。ルールに従う=何も考えないでいいので迅速な決断(それを決断と言えば)と行動ができる。自転車に乗るのと同じ。カーネマン教授の言う「ファースト」。

問題は、ルールがなかったり、これまでのルールがおかしくなった場合。ルールに慣れた人間はおかしなルールでも守ろうとする一方、ルールがなければ何をしてもいいと思う。つまり、ルールの多用は自分の頭で考えることができない人間を作る。だから、ますますルールが求められ、ルールが増える。

ピンチもチャンスも既存のルールで対応できないところに起こる。自分で考えられなければ的確な決定も実行もできるわけはない。Netflixが「avoid rules」を、永守社長が「意識の高い社員」を強調するのはそこにある。

考える社員を作るにはルールをなくすこと。「減らそう」とすると現状と比べて(アンカーリング)「もし○○だったらどうする?」という強い反対が出るので、すべて一度なくし、どうしても必要なものだけ新たに作ることを提案する(もちろんそれでも反対は出る)。

次回はこのテーマ最終回「強いリーダーシップ」についてです。