「迅速な意思決定」というと、「強いリーダーシップ」という人がいる。パブロフの犬のように、反射的に言っているとしか思われない。
現場のあちこちで火の粉が上がる中で、すべてをトップが決められるわけはない。「すべて上の指示に従う」組織はすぐに丸焼けである。迅速な意思決定は「組織として」判断基準と情報が共有されているからできる。当然迅速な「実行」もついてくる。
「好況期にシェアを取ることは難しい。こういう時期こそ意識の高い社員がいる会社は挑戦して成長する」とNHKのインタビューに答えていたのは「強いリーダーシップ」で有名な日本電産の永守CEOである。
政治に目覚めるのは悪くないと思うが、急に「迅速な意思決定」を求めても無理がある。今の結果は「慎重」や「プライバシー」を尊ぶこれまでの積み重ねが生み出してきたものだから。かばっているわけでも、あきらめているわけではないですよ、念のため。