アフリカ開発会議(TICAD9)のあった先々週に「With Africa for Africa」を掲げる豊田通商主催のフォーラムに行ってきた。200人以上が出席されて大盛況。アフリカの重要性はよく言われるものの、今一つ踏み込んでいない自分にとって、とても刺激になった(「アクナマタタ」という言葉も覚えた)。
内容とは別に、考えてしまったのは素晴らしい活動をしているスピーカーの発言である。ケニアで障害のある子供たちを支援している公文和子さんは「我々は意識、そして価値基準を変えることが重要」とおっしゃっていた。
その通りである。しかし、それができない。考えてみれば、ご自分も「子供たちの笑顔にやられた」のであって、「意識を変えないといけない」と思って取り組まれたわけではない。
そんな素晴らしい方々でさえ、いざ発信するとなると「客観的」「理屈」「一般論」になってしまうことに難しさを改めて感じた。本当に大事なのは気持ちという「主観」。自分の外に基準があって「○○すべき」でできることは限界がある。○○したい、しないわけにはいかないと突き動かされてこそ挑戦につながる。
思うに、客観化、一般化、つまりほかの人、ほかの組織にも適用できるようなことを言わないといけないという気持ちが強すぎるのだと思う。しかし、極めて個人的な意見を言えば、一般論は全く役に立たないし、誰の心にも刺さらない。間違っていないからさらに厄介だ。
何かを変えるには主観、そして感情こそが起点になるのだと思う。その意味で、最後に発表があったアート、文化の話は感情に訴えるという意味でとても重要だ。是枝監督、そして星野佳路さんが「文化は判例主義」と言うのもそういうことだろう。
ちなみに服装規定は「クールビズ」。最高気温37度の中上着がないのは200人中私くらいのものだった。う~ん。