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なぜAIが取り入れられないのか?:2025 AOM(3)

AIの活用が叫ばれる一方、なかなかAIが浸透しない、組織変革を図ったがうまくいかないという話は世界中である。LINEヤフーの川邊会長は「人が多すぎてやってくれるから」なんて、昔の中国みたいなことをおしゃっていた。

AOMでは「データは金」とその重要性を強調していた企業が、2年後にデータもこれまでの内部でためてきノウハウも外部企業に提供してアウトソースするに至ったという発表もあった。その理由は社内のAI担当部門が一度別プロジェクトで失敗したこと、そしてその地位を守るためには「外部業者を使って自分たちは監督役になる」ことを目指した事がある。その背景には外部業者が「パッケージで提案」こともある。担当の保身志向を見抜かれ、足元を見られたということだろう。

あれ、どこかで聞いたことがあるぞ。日本企業でも、多くの新施策、DXにしても成果主義にしても、同じような経緯を経て失敗を繰り返している。総論賛成各論反対、そしてそもそもなぜ失敗したのかがしっかりとレビューされず、失敗という曖昧な記憶が(場合によっては忘れられ)その後の意思決定を左右する現状がある。

もう一つ「いいとこ取りできなかったのか?」問題がある。実際、苦手部門のアウトソースと言いながら「丸投げ」はよくある。ノウハウが残らない、人が育たないというリスクを犯しても、「業者が悪い」という逃げ道を用意したいという人間の弱さは、これからも変わらないのだろう。

だとしたらどうするか?それこそが経営である。強い社員ばかりなら社長はいらない。