GPTWという会社が出した「日本における働きがいのある会社」ランキングが日経産業の記事になっていた(2023/10/25-27)。記事の見出しは「働きがいこそ外資の強み」!
ちょっと待て、人を大切にするのは日本企業の強みだったのではないか?外資系=血も涙もない個人主義、成果主義なのではないか?実際、1位になったシスコシステムズにも2位のセールスフォースにも知人やKBS卒業生はいるが口をそろえて「営業の会社です」という。マッキンゼー流にいえば「up or out」の世界である。
しかし、記事では「セールスフォース家族愛」「会社への誇り・愛着高める」とか「外資系が日系企業を上回っていたのは風通しのよさ、人事評価の適正感、法令順守意識」といった指摘が並ぶ。
結局、こうした外資系の企業は素晴らしいほど「単純明快」なのだと思う。日本企業だって一生懸命に社員の働きがい向上に努めている。しかし、そこでよく見られるのは「こんな事したら不満が出るのでは」「不公平にならないように」といった気遣い、四方八方に気を使いすぎて何が何だか分からなくなり、だれもハッピーでないという現実ではないかと思う。
どこかの本で「ちょっと嫌われないようにして、結局大きく嫌われる」という話があったが、まさにそういうことだ。会社の方針や営業に向いていない人はいる。それを救おうとして方針がぶれている日本企業が多いのではないだろうか。その前提を変えないでおいてどれだけ人に投資をしても結果は見えている。目先の人気取りに走る何とか減税と同じだ。