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会社の危機を脱するということ:How can your company deal with the crisis?

日経ビジネスに自動車部品メーカーヨロズの志藤会長の述懐があった(10/16号)。日産の系列で安泰だった会社がゴーン改革の資本解消と20%値下げ要請で大打撃を受けた話である。

生き残るために会長(当時社長)が行ったのは、トヨタ生産方式の導入。トヨタの「ト」の字も口にしたことのない社内は大変な驚き様だったという。

結局会社を変えるというのはそういうことだろう。これまでのやり方だから危機に直面せざるを得なかったのに、これまでのやり方でしのごうとするのは傷を深くするだけである。社員だけでなく、競争相手が驚くようなこと=これまでのやり方を根本的に変えることでしか危機は脱せない。

もちろん、なんでもいいわけではない。自社の強みが生かせることが重要であり、いや強みを生かせなければ勝てるはずがない。苦境で前向きであることは重要だが、単なる楽観は死を招くことは『ビジョナリーカンパニー2(Good to Great)』でも指摘されている通りである。

一言でいうと「バカなとなるほど」になる。それができたとき、ヨロズがリーマンショックを乗り越えたように、本当の進化、脱皮といえる。幹部研修でもMBAのクラスでも思うのだけれど、「なるほど」ばかりを追求してもトップが「意識を変えろ」と叫んでも簡単には変わらない。どう変えたらいいかわからないからである。結局は原点に戻ることしかない。志藤会長の成功は苦境の中で自社の本当の強みと市場からの要求を直視せざるを得なかったことだと思うのである。