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カスハラと優先順位とパーパス:Customer harassment, prioritization, and purpose

カスハラが問題だからこうした方が良い、という話ではない。少なくとも私の知る限りそうしたことが問題になるのは日本だけだということが問題だと言いたい(ちなみに、闇バイトはただの犯罪。これはパターンを変えて世界中にある)。同じようなことが「モンスターペアレンツ」にも言えるし、(しばらくアメリカの病院に行っていないが)病院で「患者様」というのも日本だけだと思う。

思うに、日本は(見せかけの)平等が大好きで、苦情に対して非常に弱い社会だと思う。(見せかけの)弱者が横暴を振るうことができる社会と言ってもいい。ドイツだかの学者が「日本を見れば人類の歴史がわかる」と指摘したそうである。つまり外敵の侵入もほとんどなく、すくすくと育つとどうなるかが日本だという。ムラ社会では何しろことを荒立てないことが大切だったのかもしれない。

そんなに苦情に弱いのに、戦略という言葉があちこちで飛び交うのもまた不思議である。なぜなら戦略とは「肉を切らせて骨を断つ」であり、少なくとも短期的には平等主義とは対局にあるからだ。

そういうことを言うと「弱者切り捨てか!」という批判があるかもしれない。優先順位を間違うなと言いたいだけだ。強い社会、良い社会を作るには戦略が不可欠である。それを成し遂げなければ、弱者を守るどころか全員で沈没するだけだからである。それは既に始まっていないか?

リーダーを批判するのは自由である。ただ、便乗して(匿名で)犠牲者ぶって勝手なことを言うのはどうかと思うし、そうした批判に負けないためにこそ「理念」「パーパス」があるんじゃないのと思う今日この頃。自社の社員やアルバイトを守れないでおいて「やりがい」なんて言っていないだろうかと。