年始は富良野に行くはずだったが、朝羽田でチェックインしてからいろいろあってキャンセルして自宅に戻った。箱根駅伝はもうあまり波乱が起きそうになかったので、NCAAのフットボールのプレーオフ(ノートルダムvsジョージア)の試合をネットで見た(前日のテキサスvsアリゾナステイトも遅くまで見てしまった)。
箱根に戻る。青山学院の圧勝自体もすごかったが、もっとすごいと思ったのはその後の優勝インタビュー。往路、復路の選手たちが何を言ったかは全く覚えていない。驚いたのは、全員歯並びがよく、真っ白な歯だったことである(10年以上前にアメリカから帰ってきて驚いたことの一つに、日本では歯並びの悪い人が多いなあということだった)。
原監督はメディアに出すぎだとかたたかれたことがある(今でもそうかもしれない)。ただ、彼は青山学院だけでなく、陸上(駅伝)をメジャーなものにし、ファンを増やすことはもちろん、陸上人口を増やしサッカーなど他のスポーツに行ってしまうような人材を確実に吸引しているように見える。「優勝のご褒美の旅行」なんて言うのもそうだ。今の時代、露出と資金なしに何もできない。「イカゲーム」の主演は1話1億円の出演料と聞いたが、箱根駅伝の経済価値はものすごいだろう。
NCAAが大学スポーツの収入を一気に仕切ることが最高裁で違憲とされたのが2021年。それまでも水面下ではあった「ビジネス」が全面に出ている。マスク氏がフィアンセの卒業校であるミシガン大学に大量寄付をして高校ナンバーワンのQBを奪ったとか、テキサス大学ではスポンサーからランボルギーニがもらえるとかは序の口である。
長らくアマチュアリズムを信奉してきたオリンピックも今やプロスポーツの祭典である。グローバル化と本当に言うのなら、日本のスポーツも伝統的に「汚い」とされてきたお金の話をしっかりとする時期に来ていると思う。日本の良さは残したい、しかしお金なしにはそれはできないのだと。これはスポーツだけの話ではない。