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KYアゲイン:Lack of imagination is a sin.

KY(空気読めない)はもともと悪口だったと思う。それが、忖度問題があまりにひどく、今やKYのほうがいいという風潮があるように思われる。これは以前指摘したHowと同じだ。

個人的にはKYはダメだと思う。他人に関する想像力、洞察力に欠けていることは人間として致命的だと思うからである。野村監督の言葉を借りれば「鈍感は罪」であり、立川談志師匠の「バカとはKYのこと」言う。「そんなつもりで言ったのではありません」という言い訳は最悪。一年前日経夕刊(2023/12/1)の「平気で言う神経」というコラムを読み全くその通りと思った。

なのにKYが良いとされるのは、おそらく誰かをおもんばかって遠慮したり、言うべきことを言わないことが非常に多いからだろう。中居問題に関するフジテレビの会見を見たらよく分かる。むしろKYでズバズバ率直に言ったほうがいい、爽快だなんていうのはテレビのコメンテーター(これもよくわからない仕事だが)が求められる理由かもしれない。

しかし、これは全く間違った考え方だと思う。KYであることと率直に言うことは相反することではない。相手をおもんばかりながら、しかしいうべきことを言うのが普通の大人だと思うのである。弾のこないところで、好き勝手言うこととはわけが違う。このあたりをごっちゃにして訳知り顔にコメントする人を私は憎む。