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大企業とスタートアップの協業

最近、大企業がスタートアップと組んで何かやろうとする話をよく聞く。CVC(Corporate Venture Capital)を持つ企業も増え、「本業との相乗効果を得ることを目的として自社の事業内容と関連性のある企業に投資」と説明されたりする。「日本企業はなんでも自前でやろうとするから駄目だ」「大企業は危機感が足りない」といった反省からきているのだと思う。

そうした大企業は「当社にはスタートアップにない様々な資源があり、当社と協業することで多くのメリットがある」と売り込むことが多い。

ただ、である。それでは何がないのか?暗に言っているのは「いいアイデア」そして「ベンチャースピリット」だろう。本当にそうだろうか?

実際、多くのスタートアップは大企業を辞めた創業者が始めている。随分前のアメリカのデータによると過半数以上のスタートアップは、元の会社でやろうとしたが支援を得られず、独立して始まっているという。最近でいえばZoomの創業者エリック・ユアン氏はシスコにいて一生懸命会社に売り込んだが相手にされなかったという。

つまり、会社にはアイデアも優秀な人材もあるのである。それを活かしていないだけ。「日本企業にはアイデアがないのではなく、寄ってたかってつぶしにかかる」とは西堀栄三郎氏が何十年も前にした指摘だが、いまだに変わっていないのではないか。

さらに言えば、社員ですら生かせないのに、外部になると急にうまく協業できるのだろうか?外圧に弱いのは日本(企業)の特徴だといわれるが、とても心配だ。孫さんのいうように「経営者というより投資家」として見る目を磨いたほうがいいような気もする。当然のことながら合法的会計操作もできないので、結果がはっきりわかる。経営者なんだから当然でしょう?失礼しました。