先週のトランプ政権がハーバード大学の留学生受け入れを禁止するというニュースが大きな話題になった。これまでも補助金等で問題にはなっていたが、ここまでするとは「民主主義の終わり」とまで言う人もいた。
日本はほぼ全員反対という感じだが、アメリカは違う。WSJの記事には数時間で約3,000の読者コメントが載せられていたが、ちょっと見た感じだと3割がトランプ賛成派で、その数は時間を追うごとに増えた。いわく「ハーバードは左翼だ」「ハーバードは思いあがっている」はたまた「うちの息子はハーバードに行かなくても立派にやっている」等々。
トランプ政権の支持基盤は貧乏な白人層と言われているが、実はWSJを読むような知識層にも一定のファンがいるのである。そして、反対派と賛成派の意見は真っ向から対立していて和解の余地はないようにも見える。裁判沙汰になるのは間違いない。
改めて思うのは、日本の均一性である。多様性だとかESGとか言っているけど、たいしたデモも暴動も起こさず「まじめで、常識的で、素直」な人たちの集まり(良くも悪くも)。その「ゆるさ」ゆえ、政治の論点もほぼ「どれだけばらまくか」であって、苦しい中を頑張って乗り越える政策論争を基軸に据えたリーダーシップにはつながらない。
いまさらながらに「価値観が違う」とはどういうことかが日本では非常に軽く解釈されていること、そして多様性を活かすことの難しさを痛感する。