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「まずはトップから」問題 : Is it really worth saying, “it depends on the top”?

小池知事もオープニングスピーチをしたCity-Tech.Tokyoというスタートアップ系のイベントに行ってみた。日本の大企業がどうスタートアップとコラボしてイノベーションを起こすかがテーマのセッションがいくつもあった。

「日本の大企業のマインドセットを変えるにはどうしたらいいでしょうか?」という質問に対して「まずはトップのコミットメントから」と有名VCのパートナーが答えるという景色をここでも見た。質問者はなるほど、なんてうなずいている。DXも含め同じような場面が昔からいろいろなところで繰り返されており、「これは歌舞伎か?」と思ってしまった。

そもそも「トップから」というのは、サッカーがうまくなりたいという子供に対して、「まずは手を使わないこと」というのと同じ。

本当の問題は多くの場合トップが「自分はコミットしている」と思っていても、それが下に伝わらないことだろう。その理由は(1)トップと部下の目指すところが違う(2)トップと部下の現状認識が違うかのどちらか。「課題=ゴールー現状」 だとすれば、そのいずれか(いずれも?)が違っていれば課題感もそれに対する解決策も重なるはずはない。

これはトップの問題であることは間違いない。しかし、ミドルもほぼ同罪とは言えまいか?「管理職とは何か?」「本社は何をしてる?」など、何度もこのブログで取り上げているけれど、トップの伝書鳩なのか?現場の見張りなのか?やりたいことができないという欲求不満もわかるが、改革は「正しいこと」を言っているだけでは進まないのが人間組織の業であることをそろそろ気づいたほうがいい。

イベントに出てヒントやチャンスを探すことはぜひ奨励したいが、いつの間にか答えや言い訳を探していませんか?