アルファベットからアマゾン、フォードやマクドナルドまで世界中、特にアメリカでレイオフが猛威を奮っている。人数ばかりが取り沙汰されるが、我々、つまり日本企業の経営者が見逃してはいけない点がある。法律やがパッケージがいいとか悪いとかではない。
Twitterなど一部を除いて、レイオフされる大半は「white collar」「corporate」「management rank」つまり管理職、特に本社社員である。そして、その人たちがいなくなっても会社は無事回っている。
翻って日本企業を考える。「現場は強いが、本社が弱い」と言われ続けて久しいが何か変わっただろうか?(現在プロジェクト進行中です)もちろんDXなど色々している(はずだ)が、本社人員はいまだに増え続けていないだろうか。
Netflixが成功したベースには、倒産の危機に追い込まれて「レイオフせざるを得なかったこと」がある。少人数で取り組んだほうが遥かに効率的かつやりがいも感じられた経験から、優秀な個人の能力を最大限に発揮させる「people over process」「徹底した情報共有」カルチャーが生まれた。
レイオフについては当然のことながら副作用があるし、「新陳代謝だから当然だ」と礼賛するつもりはない。一方、その背景には「本社知らないうちに肥大化する」という現実がある。そして本社にいる多くの人たちは「やりがい」を求めてますます仕事を作る。半世紀以上前に提唱されたパーキンソンの法則はこの点を的確に指摘している。