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プロ問題: You were not a professonal?

「先生とリーダーは嫌われてなんぼ」と前回のブログで書いたので、古くなりすぎないうちにAOM報告を中断して書く。コペンハーゲンに行く前に読んだ新聞に立て続けに驚いたからである。

7月23日日経朝刊にはメガバンクが「富裕層向けビジネス、デジタル…プロ人材拡充」という記事があった。え、メガバンクの行員は今までプロじゃなかったの?職業欄に「銀行員」と書くだけの素人集団だったの?

さらに驚いたのは翌日の7月24日に「会社経営の中核を担う経営幹部・役員候補の方」向けに、「取締役に求められるもの、すべきこととは何なのか?」「取締役会は何をすべきか?」というガバナンスのEラーニングの広告があったことである。会社経営の中核を担う経営幹部がそんなことを教えてもらわないといけないの、というのもそうだがあまりに「一般論」「他社はどうやっている」を追いかけすぎていないかという思いが強い。

「戦略は差別化」という講演をした後に、「うまく差別化している企業を教えてください」という質問がよくある。そもそもガバナンスも取締役会の構成だと思っている人が多い印象だが、実際はアクティビストもM&Aも報酬制度も全て(ガバナンス=企業価値を上げるための仕組み)の一部である。

ジョブ制でよくやり玉に挙がったのは「ゼネラリスト」「その会社でしか通用しないスキル」。でも、よく考えたら、差別化を実現する会社でしっかり通用することのほうが、他社でも通用するかもしれないけれど一般的なスキルよりも重要じゃないんだろうか?ただの包丁よりも板前さんが使う特殊な包丁の方がはるかに高いのはそういうことなんでは?

AIのセッションを聞きながら、プロって何かな~と思ったのでした。