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あなたは幸せですか?(again)

Economist誌に最新の「World Happyness Report」が掲載されていた。1位は相変わらずフィンランドで上位には北欧の国が並ぶ。調査された146か国中最下位は戦火のアフガニスタン。アメリカは24位(トランプ大統領前のデータ、来年が楽しみ)。スコアの隣の数字は2012年との違い%。

肝心の日本と言えば55位。56位のボスニア、57位のフィリピンにいつ抜かれてもおかしくない。68位の中国も迫っている。こんないい国なのに!と思ってしまうのは私だけだろうか。

2010年にアメリカから帰国して一番思ったのは「日本ってとっても暮らしやすくていい国だ」ということだ。夜中に歩いて身の危険を感じることもほとんどない。食べ物は安くてうまい。交通網も便利だし、親切な人も多い。これらは外国人旅行者が口をそろえて言うことだ。だから日本の政治がよくならないのは「日本国民が現状に満足しているからだ」とずっと思っていた。

しかし、この指標を見る限り、現状に満足すらしていない。え、どういうこと?

個人的に考えてみると、1つはこのコラムでも触れた「ネガティブキャンペーン」問題にありそうだ。悪いニュースばかり、あるいは人を貶めて得られる刹那的快感ばかりを求めていて本当に幸せになれるはずはない。「○○新聞は暗い話ばかりを載せる。これで日本がよくなるわけはない」と前職の社長が言っていたことを思い出す。

そして、もう一つは、これも何度か触れたが「希望」があるかないか。いつのまにか「遊びに来るにはいいが、住もうという気にはならない」国に成り下がっていないか?

Economist誌で指摘している幸福の要因の1つは裕福かどうか。実際、北欧の国はどこも1人当たりGDPは高い。ただ、それだけでではない。サウナだ、という声もあるが、実は「どれだけ家族や友人と一緒に食事をしているか」だという。そうした一緒ごはんカルチャーを持つ南米の国々が結構上位に顔を出しているのである。メキシコは10位、ブラジル36位、アルゼンチン42位。

「幸せって 何だっけ 何だっけ~」と明石家さんまさんが歌うポン酢しょうゆのCMが流行ったのは1986年。まず今の自分の幸せを見直すことが明日への活力につながる、といったらきれいごとすぎる?