トランプ関税のおかげでそれどころではないかもしれないが、コーヒー豆がバブルなんだそうである(日経新聞3/15)。いやいや、コーヒーだけではない。(タワー)マンションも、DXやAIも、周りを見渡すとなんでもバブルに見える。
おそらく歴史上一番有名なバブルは17世紀前半オランダのチューリップ球根バブルだろう。なんでチューリップの球根?と思うが、多くの人々が価値があると思い込み、価格が上がると思い込み、我に返ったらそうではなかったという話である。
その意味で、株やAIのバブルの指摘に対して「実態がある」ことを理由にこれを否定する識者は多い。さすがに球根とは違うだろう。
もう1つ忘れてはいけないことがある。それは「期待」こそがバブルの根源にあることだ。そもそも未来を予測がいかに難しいのは為替レート1つ見ても一目瞭然。そもそも未来は不確実なもので、確定的に分かったらそれは将来ではなく現在だと言っていたのは養老孟子氏、素人と専門家の未来予測の違いは、当たるかどうかではなく自信があるかどうかと言ったのはUCバークレーのテトロック教授。人間が人間たるゆえんの「根拠なき自信」に裏付けられた「期待」こそがバブルの原動力だ。
その意味で、バブルに踊る人たちは期待にあふれ、熱狂している。それは長い目で見ればいいことではないだろう。しかし、だからと言って期待も熱狂もない毎日を送ることが素晴らしいとは思われない。
ニセコにしても京都にしても、バブルを起こしているのは外国資本である。そろそろ私たちも何かに期待し、熱狂したらどうだろう?「赤ちゃんバブル」とか。