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「高い」「安い」と感じる理由:基準の問題(上)

円安の影響もあって東京のホテルは海外から見て非常に安いといわれる。実はずいぶん前から日本の食事の本当に度を越えたコスパは何度か触れているニセコ以外)。一方でテレビでは「インフレ」「高くなった」「暮らしにくくなった」というニュースばかりが流れる。

reference pointという言葉がある。参照点、つまり基準である。「良い、悪い」「高い、安い」は基準がある。多くの外国人にとってその基準は日本以外の観光地(あるいは自国)の価格であるのに対し、日本人のそれは「過去の経験」である。企業の経営陣が一喜一憂する場合多くの基準は競争相手であるし、株価が上がったり下がったりするのは市場(正確にはアナリスト)の期待値が基準になる。

ことほどさように私たちは無意識のうちに基準を設定している。クラスでよく出す例は「オリンピックの銀メダリストと銅メダリスト、どちらがハッピーでしょうか?」

意思決定の質を高めるというと、情報をもっと集めようとか分析をしっかりしようという話になりがちだが、「基準」について語られることはあまりないように思われる。そして、その基準が本当に適切なのかも。