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安い日本と少子化の共通点: How do we manage the time lag?

ものが安いのはいいことだ。それが日本という国で閉じている限り。しかし、インバウンドに象徴されているように、今やそういうわけにはいかない。単純な言葉を使えば、買い叩かれる。同じように日本企業の給与は全然上がっていないことにもやっと目が向くようになった。

その給与が少しずつ上がり始めている一方、物価の方がもっと上がっている。人件費を上げれば当然製品も高くなるでしょう、という話もあれば、給与が増えても物価がもっと上がれば台無しだという話もある。

つまり「タイムラグ」問題。かつてピータ・センゲ教授がビールの在庫の例を使って説明した「システム思考」である。物価と給与が釣り合い、国際的にもバランスが取れるまでには時間が必要であり、その間の問題は弱者に皺寄せされる。

実は少子化も同じだと思う。高齢者が全人口の半数とかいう話があって、聞くからに恐ろしいが、いずれ少ない子供が高齢者になったころバランスする。ただ、これもしばらく時間がかかる。

給与をどうするか、少子化をどうするか、これはこれで大切と思うが、タイムラグをどう切り抜けるかという話は聞いたことがない。「出生率を増やすよりも、タイムラグの間の負担軽減に財源を使ったらどうか」という議論があってもいいように思う(だから赤字国債は論外。現役世代が増税に反対するのはあたり前で、それを何とかするのが政治家の役目ではないの?)。

それにしてもと思ったのが、出張に行って食べたフィリピンの国民食Jollibeeの「基本セット」160ペソ=約400円。日本のランチのコスパは、「すごい」を超えて「おかしい」レベルまで来ている気がする。