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縛るな、誇りだ!:製造業不正の本質(2)

以前「管理職」は誤訳だというコラムを書いたが、その思いは変わらないどころかますます強くなっている。「人を育てることが上司の仕事」であるのに、実際にやっているのはチェック=管理に過ぎないことが多いからである。その管理も自らの意見や見識を持って行うのではなく、これまでやってきたからとか、みんなやっているからとかいう、有形無形のルール頼みになっている。

前回取り上げた2017年の記事でも「現場の意欲の低下」が指摘されていたが、上から管理されるだけ(しかも上は何をしているのかわからない)状態で意欲が上がるわけはない。

Gallup社の調査で社員のエンゲージメントが世界的に低く、日本では特にそうだという点はよく指摘され、それが「人的資本経営」ばやりにつながっている。その反動でいつの間にか「部下を叱ったらいけない」オーラ(つまり暗黙のルール)が社内で蔓延していないだろうか?「ふてほど」がはやるはずだ。

「チャレンジする社員が欲しい」なんて口では言っているけど、ルールを量産するコンプラ至上主義と両立するとは思われない。自分の仕事に誇りを持っていれば、悪いことをするはずはないと思うのだけど、「面子を潰された」なんて言う人に限って、自分の肩書だけが誇りだったりする。ルールではなく誇りについてもっと考えてみたらどうだろう。