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「配属ガチャ」の本質

個人の能力発揮を最大のミッションとする企業の方と話すチャンスがあった。本人がやりたいことを全力で会社が支援するという。

そこで思うのは「(特に若い)社員は、本当に自分のやりたいことや適性が分かっているの」という疑問である。自分だって今でこそ天職じゃないかと思っているが、コンサルティング入社時はもちろん20代の後半まで大学の教員になるなんて夢にも思わなかった。その意味で本人が必ずしも望まない配属や異動、いわゆる「配属ガチャ」はメリットの方がはるかに大きいと思う。

一方で世の中は違うようだ。新入社員の希望に仕事も勤務地もできるだけ寄り添うというのがトレンドである。

お話した企業では手上げの異動はもちろんあるが、そうでない配属や異動のほうがはるかに多いという。ただ、普段の1-on-1コミュニケーションはもちろん、なぜあなたにこの仕事をしてほしいのか、どのような成長可能性があるかの説明に「大量の時間」をかけているという。

配属ガチャの本質は「人の育成へのコミットメントの軽さ」であって、配属そのものではないのではないだろうか。これまでは適当に配属を決めていて、それが不評だと(自分のこともよくわかっていない)若手の希望を聞いて決める。その「軽さ」が透けて見えるとき、人事的には一生懸命やっているつもりでも若手から「ぬるい」「挑戦していない」なんて言われてしまう。

前回述べた権限移譲も含めて、上司の価値って何だ?って改めて思ったのでした。