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AIは最高(再考) ?:AOMシアトルより(2)

今回の学会で個人的に注目したのはAIとDynamic capability。一方で今の業務をより効率的に、他方で先の読めない環境でトップラインを上げるための組織力の進化という、考えてみれば対照的なテーマである。

今日取り上げるAIは立ち見の出るセッションもあったが、内容そのものは以前とあまり変わっていないという印象を受けた。「AIを使って、在庫管理がこんなにうまくできた」という発表に対しても「え、それって普通にエクセルでできるんじゃないの?」なんて質問も出ていた。「人間とAIが補完的にすることで最高のパフォーマンスが出せる」なんてスタンフォードの先生は言っていたけど、今さらって感じ。

いろいろなセッションを聞いて、少なくとも今の段階では、AIを使って効率化が進んだというのは、AIそのものの価値以上に、データを活用しようという社内の体制や姿勢が浸透したからではないかと感じた。

データ(AI)を使うことで自ら考えた仮説を検証できる。上司の持ちだす「過去の成功事例」にいやいや従うことも必要なくなる。そして、データこそが社内の共通言語になるから、情報共有も進む。

考えてみればケースを書かせていただいたワークマンの「エクセル経営」だって同じことだ。最近はやりの「人的投資」って、本当に考えなくてはいけないのはこういうなのでは?AIもDXも(エクセルも)、社員の力を最大限に発揮するための「手段」にすぎない、なんてやっぱり今さら?