BLOG

AIの可能性と罠:バーチャルAOM2020 (1)

世界最大の経営学会Academy of Management (AOM)も今年はバーチャルなので、この時期日本にいるのは1996年以来。友人たちと会ってリサーチやゴシップ話をしたりすることはできないが、たくさんのセッションを(多くは録画で)見られた(10月いっぱいまで録画を見られる)。

5日間、7,000人以上が約1,500のセッションに参加。テーマで目立つのはコロナ禍、そしてAI/Digigal。戦略や国際経営よりもEntrepreneurshipやHRのセッションが面白かった。

AIの話は(なんと)HRがらみで圧倒的に多く、「これからの人事はアルゴリズムが分からなければだめだ」と言い切る先生もいた。「え~」と思ったが、全く別のセッションで「専門医はAIによる乳がん、肺がん検査をほとんど使っていない」と聞いて驚くとともに納得した。自分の診断と食い違う場合「AIはなぜそういう診断をしたのか」がわからなければ、責任を持てないというのである。採用や評価をブラックボックスのAIにはアウトソースしますか?

少し前にマイクロソフトにいるゼミの卒業生が「評価や昇進はAIで決まります」と冗談交じりに話していたが、この分野はまだまだこれからで、チャンスも罠もいっぱいありそうだ。