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迅速な意思決定の3つの誤解(3)

最後は先週触れたMcKinsey Quarterlyにもあったが「速さ」を強調しての多少の失敗よりもスピードが大切だというものである。

「多少」というのがそもそも逃げ。相当の失敗を受け止める覚悟がなければ、経営者は挑戦を奨励しているつもりでも、実は保険を掛けまくるリスク回避なカルチャーはなくならない。

もう1つは「迅速」といいながら、単に早く決めたい、「宙ぶらりん」になるのが気持ち悪いと思って決めていないだろうか。待てばもっと情報が入ってくるかもしれないのに、強迫観念や気持ち悪さで「迅速」にする必要はない。

意思決定の最も大切な要素は「迅速」ではなく「タイミング」である。「遅れない」と「迅速」は同義ではない。「今決めなければだめだ」という感覚は現場の情報が欠かせない。有事に権限移譲の重要性が強調されるゆえんだが、普段から「当事者意識」を養えているかがカギになる。「タイミングをどう見るのか?」に正解はないが、少なくとも「迅速が目的」になってはいけない。

現在世界最大の経営学会Academy of Managementがバーチャルで進行中なので、生活リズムが崩れがち。ここでの発見は今週後半に。