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迅速な意思決定の3つの誤解(2)

最近コンサルタントがヒマなのか、McKinsey Quarterlyのメルマガの頻度が5倍になった。テーマの多くはコロナ禍での組織運営、リーダーシップである。7月12日には「スピード」をテーマにして「non-mission-critical decisions can be delegated, so that top leaders focus on fewer, more important decisions」と提言していた。これもよくある誤解(というか思い上がり)である。

重要な案件はトップがやるに決まっている。

「いやいや、うちのトップは細かくて」「自分で全部やらないと気が済まない」「タクシーの領収書まで見ている」のは時々聞く。ただ、それはトップが重要だと思っているからそうしているのである。この提言は何も言ってない。

本当に提言されなくてはならなかったのはリーダーが重要だと思う(思い込む)「基準」をどうしたら揺さぶられるかでなかったか?そして、delegation(権限移譲)の真の目的は、スピードではなく部下に責任と達成感と悔しさを経験させることであるということも。

だいぶ前に書いた本では、椎名武雄氏が日本IBMのトップ時代にクリップの使い過ぎを全社に警告した話を表紙に使ったが全然売れなかった。読者の「基準」を揺さぶる方法も模索中です。