Economist誌(2021/10/31)を読んでいて、先週のブログの「穴」に気づいた。マイクロソフトの社員6万人の調査によれば、リモートでは協働が「サイロ化してしまう」というのである。同じ部門や親しい同僚とは密にコミュニケーションが取れるものの、そうでない人たちと接する機会が生まれないということだ。オフィスであれば話しかけた横の人が「俺知ってるよ」みたいなことはあるが、Zoomではそもそも画面にいない。
自分と違うアイデアや情報は違う部門、あるいはあまり親しくない人たちからもたらされることは多い。これが多様性の価値である。イノベーションのために、そもそも知らない部門や人とどうコミュニケーションするかという視点から考えれば、リモートかどうかはいくつかある論点の一つに過ぎない。例えば定期的な人事異動も重要な手立てだ。え、ジョブ制?それで部門間のコミュニケーションをどう取ろうっていうわけ?また会議?
さらに言えば、自社内よりも他社からのほうが違ったアイデアがあるに決まっている。社外からどう人を採用し、自社とは違う会社とはどう付き合うのか?GoogleやFacebookの新規事業のほとんど(少なくとも収益を上げているもの)は買収がベースになっているのは偶然ではない。
目的から考えると、手段から見た議論がいかに狭いかがよくわかる。個別最適である。「鳥の目で見なさい」どころか、反対からみることだって、いったん「雑談」が主テーマになると忘れられてしまう。
そんな反省も込めて、タイトル(問い)を少し変えてみました。え、漠然としすぎ?でも、手段の目的化は、目に見えるわかりやすいテーマを追いかけるから起きるんですよ。