先週で担当した「マクロ組織論」(タイトルだけ聞くとなんだかよくわからない)授業も終了。最後のメッセージは「経営も現場も頑張っているのにすれ違う組織が一番残念」。これまでも見えることだけでなく、見えないこと、言われないことも考えてみようという話をしたが、自分が正しいと思うことほど別の視点を取り入れることが少ない。一見もっともなニュースも物事の一側面からしか光を当てていないことが多い。
ビジョンの共有という話は発信者ばかりが注目を浴び、イノベーションも技術や新しさに目が行き、顧客が受け入れるかの話は後回しになりがちだ。顧客は結構保守的で、変わりたくない、今までの延長でいいという。これが「イノベーターのジレンマ」である。
女性の役員を増やすというのはどうだろう。その重要性は間違いないのだが、一般に女性は男性に比べ山っ気が少なく、確実にできる自信がないと手を上げないといわれる(だから給料の交渉なども吹っ掛けたりしないそうだ)。これは生まれつきなのか、社会がそう仕向けたのかわからないが、見過ごすことのできない点のように思われる。
先日のクラスでは「ノイジーマイノリティだけでなく、サイレントマジョリティーの意見をどうくみ取るか」にはじまって、「社員が分からないからダメと言うのではなく、社員の立場で考えてみよう」という意見があった。なるほど、教える側からしか見ていないのはゴーマンだってことだと改めて反省した次第。