先週engagementという話をした(Facebookが叩かれているのは顧客のengagementを上げる施策の行きすぎというのは皮肉である)が、大昔「会社人間」という言葉があった。最近はその反動で自立が叫ばれる。新浪剛史社長の「45歳定年制」にかかわる大騒ぎも、その辺りにある。
自立はマズローで言えば「自己実現」。SNSがこれだけ流行るのはその一段下の「承認欲求」だろう。「会社人間」と言うのは、さらに一段下の「帰属欲求」になる。
もう1つ最近の流行としては、(スマホ)ゲームのコミュニティ化がある。Switchはもそうだし、e-sportsもそう。「モンストはゲームではなくコミュニケーションツール」というのはミクシィ。自分がやるだけでなく、一緒にやるあるいは他人がやるのを見て楽しむことが増えている。会社にも家族にもない帰属感を、そこに求めているというのはうがちすぎだろうか。
「会社にはイメージで入って、半径2メートルの人間関係で辞める」と言われることがある。結局、どんなに頑張っても、社長が伝えられる理念やパーパスは「言葉」でしかない。「気持ち」は半径2メートル(で作られる。以前KBSに来てくださった元ナイキの増田弥生さんは、部下に質問するときも、正面ではなく横に並んで、一緒に見る絵(会社)について「私たち」を主語に聞くようにしたという。
ちなみに、タイトルの答えは「月がきれいだね」であると、きたやまおさむさんのコラム(10/6日経夕刊)にあった。理念の共有も、そういうことではないかと思った。え、Zoomでどうやってやるかって?……