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Should からCanへ:Effectuationという考え方

(先週から続き)私がeffectuationを知ったのは、2018年にイスラエルで開かれたスタートアップの学会。Sarasvathy教授が提唱したのが2001年。AOMでは昨年も今年もこのテーマでentrepreneurshipの複数のセッションが開かれている。

これまでの(1)ゴールを明確にして(2)利益の最大化を念頭に(3)分析・予測をベースに施策を考える「べき論」に対し、effectuationは(1)まず自分に何ができるのかを明らかにし、(2)どこまでの失敗なら許容できるか(affordable loss)を念頭に(3)チャンスを取り込んでいく、つまりshould ではなくcanを出発点にして、未来を予測し適応するのではなく「未来を作っていく」という考えだ。

2001年の論文にはミンツバーグ教授の理論、あるいはマーチ教授のexploration vs exploitation、ウァイク教授のenactmentとの関連にも触れられている。pivot や「やってみなければわからない」を理論化したと言ってよい。

興味のある方は色々勉強したらいいけれど、自分には「本当に」どういう資源があるのか、何ができるのかから出発するのは、起業家だけでなく大企業で働いている人たちにも示唆が大きいのではないかと思う。イノベーションと叫びながら個人も組織もリスクが取れないのは、失敗の許容度が見える化できていないからではないかとも感じる。

誰かに言われた「べき論」よりも、自分でできることをやったほうが絶対楽しいし、発見も大きい。え、それが既に「べき論」だってか?