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EMBA Cafeの講演(3):不確実性のもう1つの側面

VUCAとかリスク、不確実というと何を連想されるだろうか?

おそらく問題、マイナス、あるいは困った、ではないだろうか。だから損害を最小化するにはどうするかとか、「現金を持て」「自己資本を高めろ」なんていうアドバイスになる。

しかし、不確実というからには、マイナスだけでなく思いもかけなかったチャンスもあるはずだ。リモートが進むにつれて多くの非効率が明るみに出たのもそう。ただし、そのチャンスを活かせたかどうかはまた別の話である。

「好況期にシェアを取ることは難しい。こういう時期こそ意識の高い社員がいる会社は挑戦して成長する」と指摘されたのはこのブログでも取り上げた永守会長だし、コロナで大きな打撃を被ったはずのサウスウェスト航空は他社が事業縮小するのを見て、空いた路線を積極的にとりに出ている。アイリスオーヤマの「工場の稼働率70%」も同じ。想定外のチャンスを取りに行ける平時の姿勢がここでも大切だ。

人間の心理としてどうしても損に反応してしまうのは行動経済学の指摘する通りだが、1点を失うのも、1点を取るのも同じ。どちらでもいいのだが、守りに入ると(今の日本のように)減点主義が横行して気が滅入る。だから、「攻撃は最大の防御」、何の保証もなかったアメリカの博士課程時代から弱気になると自分に言い聞かせている。