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EMBA Cafeの講演(2):本当の不確実性はどこにある?

VUCAという言葉がはやりである。少なくとも私が就職した35年前から言われている「先の見えない時代」と何が違うのだろう。ちなみに当時はSIS=strategic information systemという言葉も流行っていた。SISができたから次はDX、とはとても思われない。

それはともかく、McKinsey Quarterlyなどでも「コロナ後はこうなる」的な予測の記事が多い。一部の「預言者」のような人がもてはやされる。

立ち止まって考えてほしい。多くの会社の失敗は本当に予想外の環境変化が根本の原因なのだろうか?

ECで立ち行かなくなった小売店は、ECそのものよりも、時間がたっぷりあったにもかかわらず準備を怠ってきたのではないか?「このままではだめだ」という現場の声を無視してきたのではないか?企業の失敗を見ても、実はずいぶん前にあった兆候、内部の問題提起を無視していることが多い。ワクチン接種にしても、ワクチンの調達の遅れ以上に、何か月も前にわかっていたはずの接種者の確保や在庫管理がボトルネックになっている。

負けの9割は自滅だという。外部に気を取られる前に、自分たちがマネジできる組織の内部にこそ目を向けるべきではないだろうか?そこには預言者の言葉よりもずっと貴重な情報があるのに共有されていなかったりしないだろうか?不確実性は実は自分たちが作り出していないだろうか?「外野ではなく、自分の周りの声に耳を傾けろ」、しくじり先生でミルクボーイが言ってた。VUCAなんて格好をつけて場合じゃないんだ!