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号外:三菱電機問題の本質

三菱電機が35年以上にわたって手抜きの品質検査をしてきた問題は連日新聞や雑誌を賑わし、ついに社長の辞任につながった。ただ、ちょっと違わない?と思うので号外を出す次第。

マスコミはやたら「35年以上」が異常だと強調する。10年だったらいいのか?とイチャモンをつけるつもりはない。ただ、組織を知る人であれば、5年続くものは10年続くし、10年続くものは35年続くことは容易にわかる。それが組織の慣性である。そもそも習慣になっていて、社内では疑問にすら思わなかっただろう。

さらに言えば、そこまで組織に根付いた手抜きがなぜこのタイミングで明るみに出たのか?そちらの方が「組織風土」「おごり」と決まり文句を並べるよりはるかに意味がある。組織の慣性を壊すことは世界中の企業にとっての課題だからだ。

7月4日付けの日経は「性懲りもない三菱電機の不正」と正義感一杯の社説を掲げた。そして「同社の取締役会は元外務時間など大物の社外取締役が居並ぶが、形だけを整えても意味がない」と結ぶ。ああ、言っちまったよ。社外取締役の質だ量だと騒いでいる人々は全くガバナンスの本質が分かっていないということを。もしかしたら反省?