~旭川ゼミ旅行から見えた経済の転換点~
M46の早水です。
2024年2月7日から9日、修士論文の最終提出を前に、ほんの束の間の休息として、恩師である清水先生を訪ね、北海道旭川市へゼミ合宿に出かけました。この短い旅で、私は、日本社会と自分自身の変化について深く考えさせられる機会となりました。
カムイスキーリンクに到着してまず驚いたのは、15年前とは全く異なるスキー場の光景でした。ゲレンデには半数以上が外国人観光客であり、まるで地元民のように一人で乗り込む姿も珍しくありません。最高のコンディションの雪質の中、彼らが楽しそうに滑る姿は、日本の観光業が国際化しており、日本社会全体の変容を象徴しているように感じました。
さらに衝撃だったのはリフト券の価格です。1日券が昨年の3,800円から5,300円へと、約40%も値上げしていたのです。これは偶然の高騰ではなく、日本全体を覆う物価上昇の波の一部だと痛感しました。
実際、2024年3月には日銀が17年ぶりにマイナス金利政策を解除し、2025年1月には0.5%への利上げを実施しました。報道によれば、次回さらに0.75%に引き上げも検討されており、これが実現すれば30年ぶりの高水準となります。これらの出来事は、私たちが歴史的な経済の転換点に立っていることを示しています。
私はこの状況を「インフレーション・スパイラル(定義は曖昧みたいですが)」と捉えています。物価上昇→賃金上昇→コスト増加→さらなる物価上昇という連鎖です。理論上は賃金も上昇するはずですが、実感としてそれに追いついていないのが多くの人の現実ではないでしょうか。
経営学を学ぶ大学院生として、私はKBSで日々、企業が環境変化に対応するための戦略的柔軟性について議論を重ねてきました。しかし、この旅で私が突きつけられたのは、より個人的な問いかけです。「企業の戦略転換を論じる私自身は、変化に対応できているのか?」「ただ時代の流れに身を任せているだけではないのか?」と。
変化を認識し、変化をチャンスと言葉で表現することは容易いです。しかし、実際に行動を変え、新たな環境に適応できるのは一握りの人だけです。その差を生むのは、「危機感」と「覚悟」だと私は考えています。
例えば、この物価高騰とインフレが進む時代において、投資や資産形成の戦略は大きく見直す必要があります。預金だけでは資産は目減りします。またスキルセットも同様で、AI時代に求められる能力も急速に変化しています。時には、自分の居場所そのものを見直す決断が必要な時もあるでしょう。長年慣れ親しんだ環境から離れ、新たな挑戦に踏み出す勇気も必要となるでしょう。こうした大きな転機に対応するには、「学び続ける」という姿勢と共に、「変わる覚悟」が不可欠です。
旭川の美しい景色と美味しい食事を楽しみながらも、物価高騰が続けば、スキーのような娯楽さえ「高嶺の花」になりかねないという現実も痛感しました。しかし、悲観するだけでは何も始まりません。変化の波は、乗りこなせば大きな飛躍のチャンスになるはずです。
これからの時代、私たちは何を大切にし、どのように行動していくべきなのでしょうか。あなたは、この変化の波に既に対応していますか?それとも、過去の成功体験や古い思考に縛られ、変化を恐れていますか?
不確実な時代を乗り越えるためには、過去の成功体験に固執せず、変化を受け入れ、柔軟に対応することが求められます。間もなくKBSを卒業する私自身、変化への準備はできているのか?この旅は、未来への期待と不安が入り混じる、複雑な心境を抱かせるものでした。
最後に楽しかった思い出の写真です。