8月末に京都のKBSの経営幹部セミナーに出講した。台風の影響で1時間出発が遅ければ新幹線が止まっていたぎりぎりのタイミングだった。しかし、今回はそのことではない。
クラスが終わってから京都市美術館開館90周年記念展で村上隆展をやっていることに気づいた。しかも台風の影響で人は少ないらしい。ただ、へとへとになっていたことといつ帰れるかわからないこともあり、見ずに伊丹空港から帰京した。
自宅で記念展に関するYouTubeをいくつか見て、逃した魚の大きさに今さらながら気づく。彼の作品には「敗戦国」「アジア人」としての悲哀があり、花が笑っているのもだからこそであるという。LVMHとのコラボは商業的には大成功だったが、彼の作品の価値は落ちたという話も面白かった。日本の漫画は芸術の頂点という指摘も納得がいく。
実は私は芸術音痴である。絵もそうだが演劇なんてさっぱりわからない。ただ、分野を問わず芸術家の生きざまについてはとても興味があり、胸躍る。随分前に『芸術起業論』を読んでから、彼の作品というよりは彼のファンになっている。
YouTubeを見ていて改めて感じたのが、彼が批判にとても寛容なこと。芸術界では叩かれまくっているらしいが、そもそも番組に出演したのも批判がきっかけだという。そうしたネガティブを肥やしにしながら、自分の方向性をはっきりと持っている姿に少し嫉妬した。
「村上隆展」はもう日本では二度とやらないらしい。チャンスの前髪をつかむには、リスクを取らないといけない。準備も必要だ。普段言っていることができなかった。いくつになっても後悔はするもんだなあ。