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防衛省問題

このところかちっとくる話題に事欠かず、このままだとAIBの話が冬になってしまうかもしれないので、番外編で一言「防衛省問題」について触れる。

いろいろ問題が山積みだが、逮捕者が出ていたことを「昨日自分も知らされた」「大臣にしっかりと報告するのが文民統制の要諦だ」等、月並みな言葉を使えば「憤りを隠せない」木原稔防衛相の19日の会見だった。

「自分は知らなかった」を強調するトップはよく見る。自分は悪くない、悪いのは部下だ、と言っている。しかし、なぜ部下は知らせなかったのかをよく考えてみる必要がある。悪いニュースを喜んで伝える部下はいないので、伝えられる・伝えられないの差はほぼ100%上司(もちろん大臣だけではない)に問題がある。これが有名な「心理的安全性」の本質的示唆。(ちなみに「被害者面」はメディアの常套手段だというのは内田樹氏)。

すでに防衛相に対する責任問題は出ているそうだが、単なる形式論、幕引き論になっているように見える。仮に辞任しても、何が悪かったのかが本質的に反省されるよりは、締め付けが厳しくなるだけのような気もする。そして、悪い情報隠しはより巧妙になる。

自衛隊という大所帯で、心理的安全性をいきわたらせるなんてできるのか?と思ったあなた、すでに死んでいる。トップの仕事とはそういうことだからだ。「大臣(社長)になれた!」なんて喜んでいる場合ではないのである。