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ただいま、日吉

みなさま、あけましておめでとうございます!
M45の山川結貴です。

12月に、IP留学先のフランスから帰国し、
約半年ぶりに清水ゼミのみなさんと対面でお会いしました。
そして、先週1月12日に修士論文の発表を終えました!
写真の通り、みんな元気にやっております。

さて、今回は、私がフランス留学中に得た学びをご報告できればと思います。

それは清水先生も普段からアンテナ高く、とおっしゃっている
「わかっているつもりのことがわかっていなかったこと」
に気付くのが本当に難しい、ということに関するお話しです。

今回は特に「国ごとの時間に対する価値意識の違い」を通じて経験し学んだことをご紹介します。
以下に、私が留学中に経験した日本との時間に対する文化的な意識差を2つ例に挙げます。

例① 講義が時間通りに開始されない
KBSでは教授が時間通りに始め、遅刻する人はほぼいませんが、
フランスで受講した3種類のいずれの講義も開始時刻に学生全員が着席し
時間通りに講義が開始されることは4ヶ月間、一度もありませんでした。

例② 電車は遅延が当たり前
パリ市内を走るメトロやパリと郊外を繋ぐRER線においては、
そもそも日本のような〇時〇分というように具体的な時刻で書く時刻表は存在せず、
駅の電光掲示板に到着まであと〇分としか表示されていません(書いてあるだけ親切かもしれません)。
また、走行中に突然停車しても特にアナウンスはありませんし、
そのまま電車を降り次の駅まで歩くか、
いつ来るかわからない次の電車を待たねばならない事態も珍しくありません。

前回のブログでも少し触れましたが、留学先のESSECの学生は欧州圏を中心とした多国籍(多い講義では18ヶ国など)の留学生で構成されています。
上記に記載した例は経験したものの中のほんの一例ですが、
一緒に過ごしたフランス以外の国籍の友人の内、
アジア圏(インド人を除く)とドイツ人以外は特に時間に対する価値観に対して文句を言う人はおらず、時間に厳格な意識を持つ人は少数派でした。

こうした文化的な背景から生じる価値観の違いは、
当然多国籍なメンバーで構成されるグループワークにおいても見られ、
多少の軋轢が生じることが多々あり、
留学を始めた当初は何度も頭を悩まされました。

私自身、職業柄様々な多国籍文化の違いに関する本を読んでいたし、
短期間ですが多国籍な文化が入り混じる米国にも住んでいたこともあり、
このような文化的な差異からくるストレスや軋轢の対処法は
多少は理解しているつもりでした。
しかしながら、自分の価値観が少数派として対処しなければならない事態となったのは今回が初めてで、苦しい思いをしました。
本当の意味では分かっていなかったんだな、
と自分の認識の甘さを痛感しました。

したがって、改めて「わかっているつもりのことがわかっていなかった」
ということに気付くのは難しい、ということを実感したわけです。
「わかっているつもりのことはわかっていなかった」と気付く一つのきっかけは、
「実践:やってみること」にあるということを覚えておこうと思います。

また、それに加え上記のような時間に対する価値意識の差異に限らず、
留学中に文化的な様々な差異が生じる事態を経験する度に、
少しずつうまく対処できるようになり、
最終的には大抵のことにはストレスを殆ど感じずに乗り越えられる柔軟性を得たのは、
非常に大きな成長だったように思います。

この経験を通じ、日本に留学に来る外国人留学生の方の苦悩を疑似体験できたようにも思いました。
そのため、現在私が取り組んでいる外国人留学生の支援事業にも役立つ素晴らしい経験ができ、KBSには感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、あとは3月に無事に卒業できるように、
2月の修士論文の最終提出に向け、ゼミ生一同しっかりがんばって参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。