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アクティビスト問題:SMSトロントから(後)

学会だけでなく美術展や学校の授業(!)でもそうだろうが、期待していた通りの素晴らしいセッション、反対のセッション、ふらっと行ってみたら思いがけずグッと来る話が聞けるセッションなどいろいろある。UC IrvineのWiersema教授の話は3つ目だった。

TMT(top management team)の研究で知られる彼女の最近のテーマはヘッジファンドとアクティビスト。ほんの10年前まではアメリカだけの現象だったが、今や世界中に広がり、現在最もアクティブなのは韓国なんだそう。

アメリカでは上場企業3,500社のうち約2,000社に取締役を送り込んでいたり、デュアルストックを使って議決権株の大半を創業者が持つメタのような企業までターゲットになっているという。

特に面白かったのは、アクティビストファンドは価値を出せてないビジネスの売却を進めたり、失敗する可能性の高いM&Aに反対することで企業価値をあげようとしているという指摘。結局オペレーションのことはわからないのである。

CSRに頑張っているが業績がイマイチな企業はターゲットになりやすいという。「Exxon/Mobileがターゲットになったのは環境問題のためではない。単に業績が悪かったからだ」という教授の指摘はとても納得がいく。CSRは時々言い訳に使われることがあるが、両方達成するのが経営である。え、それあたりまえ?