最近いくつかの企業で幹部研修をする中で繰り返し出てきたのが「降格」問題。多くの企業では「役職定年」があり、若い人に道を開くと言いながら、人手不足で優秀な人は年齢にかかわらず活躍して欲しいと悩んでいる。そこで出てきたのが「降格すればいいじゃない」。
どの企業も制度としてはあるけれど、法令違反や「セリーグ、パリーグ」を除いては殆ど使われていないという。
教授もそうだし柔道や剣道もあるいは茶道も、力が落ちたから、間違ってなったから下げますという話は聞いたことがない。将棋も四段以上になれば(つまりプロになれば)ないという。考えてみれば、不思議である。
そうした世界には常に切磋琢磨し続けるのが当然という暗黙の前提があるのだろう。しかし、それを一般の企業にあてはめるのもおかしい気がする。さらに言えば、そもそも昇格も曖昧だったりする。
星野リゾートでは「降格・昇格」にあたる「充電・発散」が普通である。「キャリアとは上がるだけではない。アップダウンすることで能力を高めることができる」「小さな会社ほど昇格降格を活発にすべき」と星野代表は言う。
学校業界では産休関係はとても手厚いんだそう。「みんなが取っているから、普通になっている」といわれる。降格も「普通」にしたら認識も変わる気がする(給料を下げるかどうかはまた別)。Jリーグなどの「入れ替え戦」方式とか。新規事業は失敗するのに、人事は絶対失敗しないなんてことはありえなくないですか?