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松田聖子と意思決定が遅い問題:Why do we believe that decision makings in Japanese firms are slow?

日本企業の意思決定が遅いと言われて久しい。欧米企業だけでなく、韓国や中国企業などに比べてもそう言われる。いわく「本社に持ち帰って検討します」。慎重に判断、と言っているうちにチャンスを逃す。逆に(欧米の)ライバル他社が即断った案件をじっくりと検討してババを引いたりしている。

同じくらい最近言われているのが、大企業、上場企業でもユニクロなどオーナー企業は意思決定が早いというもの。オーナーである社長がGoであればGoだと。

ちょっと待て、と思いませんか?上場企業であれば多くの株主もいればそれを代表する取締役もいる。いくらオーナーが大株主だと言っても慎重に判断しているはずである。何が違うのか?

結局「意思決定をする人」が決まっているかどうかだと思う。海外案件で言えば、担当者に意思決定権限がない。結果として、ヒリヒリとした当事者意識も薄れるし、経験も積まれない。「人本主義経営」「経営者を育てる」などと言っておきながら。

ヤマザキマリさんは「松田聖子が生まれなくなったのは、個人で全てを背負う覚悟がないから。だからグループが流行る」と指摘されている。全く日本企業のことじゃないですか?

それにしても稟議書をなくし「責任者が(迅速に)決める」ことで本当に会社の業績悪くなるのだろうか?多くの店舗、あるいは事業を持つ会社は是非実験をされたらいいのに、と一時は叩かれまくった森保監督がスペイン戦で激賞されているのを見ながら考えました。