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Z世代という幻想?: Why we cannot understand Generation Z?

1990年後半から2000年代生まれの人たちを指すZ世代という言葉を最近よく聞く。日経MJの元旦版には「ミレニアム世代」との違いが大々的に取り上げられていた。いわく、等身大であることが大切、給料よりも自分の時間、友人少なくてもかまわない…

なるほどと思う。ただ、ちょっと考えてほしい。Facebookが始まったのは2004年。iPhoneの誕生が2007年。Lineは2011年。人との付き合い方も当然変わる。そして良くも悪くも生まれたときから情報の洪水、特に「自分が興味ある」(とアルゴリズムが判断した)情報により狭く晒されている。当然ダイバーシティなんかへの肌感覚も違うだろう。

そう考えてみると、実はZ世代が特別なニーズを持っているというより、環境に合わせた行動がそうしたニーズを作り上げているだけではないか。さらに言えば、(メタバースがどうなるかわからないが)こうした環境変化は続く。

もう1つの流行り言葉であるempathy(共感)。相手の立場に立つ、共感を本当に大切にするのであれば「Z世代はこうです」といった本を一生懸命読むのではなく、同じ立場に立つことが必要ではないだろうか。

おじさん、おばさんが「近頃の若い人は」と時代が変わっても言い続けるのは、実はそうした環境・テクノロジーに身を晒してないからではないだろう。私もZ世代の次男から「なぜメガバンクなんていまだに使っているの?」と聞かれて唖然としたことがある。「古い人間です」なんて、かっこつけていいのは健さんだけだ!